――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?
夢として想い続けていることは、”音楽の魅力を伝えられる音楽家になること”です。演奏会にて、ただただ音を出しているだけの演奏家には決してなりたくありません。私の演奏を通じて、お客様が楽曲のそのものの魅力に気付いてくださったり、心が動かされるような経験をしたり、気持ちが豊かになる瞬間があれば良いな、といつも想いながら演奏しています。
私の父親が使用していた分数楽器が家にあったので、その影響もあり3歳からヴァイオリンを始めています。今まで楽しいことばかりではなく、どちらかと言えば辛い経験の方が多かったと思います。楽器を辞めたくなることもありました。ですが、音楽そのものが大好きなことはずっと変わらず今まで活動できています。
音楽を通して、たくさんの方に出会い、たくさんの方に支えていただきながら、温かい言葉に助けられています。これからも初心を忘れずに精進していきたいです。
ピアニストのマルタ・アルゲリッチさん、酒井茜さんと
――日常生活、生活環境について
東京音楽大学付属高校から東京音楽大学4年生が終わるまでの7年間は、岐阜の親元を離れて大学の寮で生活をしていました。その7年間でコミュニケーション能力はすごく培われたと思います。
昔は本当に人見知りが激しかったのですが、高校生の頃には友人達との毎日の会話がすごく楽しみになっていました。パリでの留学生活を挟み、いまは東京で一人暮らしをしているので、料理も家事も全て自分で行なっています。コロナ禍を経て料理のスキルは上達したと自分では勝手に思っています。笑
――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること
自分の“音”や“スタイル”を持つことは音楽家としてとても大事なことだと思いますが、それだけを前面に出すのではなく、作品に寄り添う演奏をしたいなと常に心がけています。
以前よりも、作曲家や作品によって違う音や表現を模索し、自分の勝手な解釈だけではなく楽曲そのもの良さを伝えることが音楽家としての使命だと感じるようになりました。
オペラ「浜辺のアインシュタイン」に出演しました!
――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負
現代音楽にも興味がありライフワークとして継続的に取り組みたいなと思っています。2019年、作曲家の権代敦彦さんに協奏曲の後にアンコールとして弾く無伴奏作品を委嘱しました。権代さんとは直接何度も意見交換を重ね、無事に楽譜の出版まで至った時は感激でした。作品を世に送り出す第一歩に関われたことが、何よりも嬉しかったです!
実は、2024年2月に権代さんが新たに作曲するヴァイオリン協奏曲の世界初演を演奏させていただきます。とっても楽しみです!
人間的には、謙虚で過信しない人でいたいと思っています。1つ1つの演奏機会を大切にして頑張っていきますので、これからも応援して頂けると嬉しいです!
作曲家の権代敦彦さんと。委嘱作品の楽譜が出版されました!