2024/10/16

塩田千春インタビュー|美大留学・海外での活動はアーティストにどのような影響を与えるか

2024/10/16

美大留学や海外での作家活動は、アーティストの生活や制作にどのような影響を与えるのでしょうか? その問いを探るため、私たち江副記念リクルート財団アート部門の現役奨学生である4名(上野里沙、蔵内淡、中岡尚子、ヨウシジン)は、ベルリン近郊にある塩田千春さんのアトリエを訪問しました。私たちは塩田さんの海外での活動や制作プロセスを肌で感じ取り、2024年9月に大阪中之島美術館で開催される大規模個展「塩田千春 つながる私(アイ)」にも通じる話題も含め、幅広いお話を伺いすることができました。
 
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国内外問わず世界中で活躍する塩田さん。場所やものに宿る記憶といった目に見えない存在を糸で紡ぐ大規模な作品を中心に制作する彼女のアトリエは、ベルリン近郊の大きな旧工場跡の中にありました。

当時のベルリンと塩田さん

中岡 : 塩田さんが学んでいた当時のベルリンについて教えて下さい。

塩田:(当時)私はうろうろ、ふらふらしていて。でも時代が時代で、あちこちで展覧会ができる時期だったから、アーティストもキュレーターもたくさんいて、もう展覧会ばっかりしてた。ここはすごく混沌としていたし、とにかく物価が安かった。アパートもコールハイツング(Kohleheizung)*の建物だけど、200ユーロあれば50平米くらいの物件を借りられた。アーティストがいっぱいいた時期で、オラファー・エリアソン*とかみんな来てて住んでいたから、街を歩いたらアーティストばっかり。
* コールハイツング: 石炭暖房。旧東ドイツ地区に多く見受けられ、当時コールハイツングの建物は比較的家賃が安かった。
* オラファー・エリアソン: サステナブルな世界を探求する作品で知られるアーティスト。ベルリンとコペンハーゲンを拠点に活動。日本でも2020年に大規模個展「ときに川は橋となる」(東京都現代美術館)などを開催。

上野:やはりそういうものからたくさん影響を受けましたか。

塩田:うん、よかったよね。安かったし、ほんとに。

蔵内 :今はそこまで当時ほどの勢いはないのですか。

塩田:今はそんなに。みんな先生になってるよね。

上野:当時のベルリンのような活気がある感じのところって、現在他にどんな場所があるんだろうと思ったのですが。

塩田:ドクメンタ*が始まる前とかインドネシアとかすごい活気あったけどね。アジアはやっぱ面白いかな。
* ドクメンタ: ドイツ中部の街カッセルで5年に1度開催される、世界最大級の現代アートの祭典。

蔵内 :日本はダメですか。

塩田:日本からあんまり人が出なくなってるよね。円安とかもあるし。

中岡 :日本から出るって結構…

塩田:(当時も)結構大変だった。

中岡:逆に日本で海外のアーティストを誘致、招待するとかもすごい大変ですよね。

塩田:そうね、でも今海外から日本に行く人がすごい増えてるよね。コレクターでもギャラリーの人でも日本大好きだから、観光で桜の時期に日本に行ってきたとか、前より聞くようになった。

中岡 :(現在ベルリン芸術大学に留学中の)私にとって、ベルリンはすごく住み心地が良いし楽しくて、卒業してももうちょっといたいかもって最近は思います。


塩田:大学卒業してもベルリンに残る人が多いよね。ベルリンいいよね、本当。 アーティストには優しいかも。職業としてアーティストって言える。

ヨウ:職業アーティストやってる人たちってベルリンがベースの人が多いなって思います。

塩田:アーティスト用の保険とかもあるし、 Künstlersozialkasse (KSK)*って、アーティストっていう証明があったら、 そこで保険が安くなって年金も払われるっていうアーティスト特有のものがある。
* Künstlersozialkasse(KSK): ドイツにあるアーティストのための社会保障基金。

ヨウ:アーティストに優しい環境ですね。

上野:そういう支援、サポートってドイツの文化的なところから来てるのでしょうか。

塩田:そういうのもあるんじゃないかな。今はパレスチナ問題の影響で厳しくなっているけど。

上野:塩田さんはよく日本とベルリンを行き来しますか。

塩田:日本には毎年展覧会で帰ってる。

蔵内 :展覧会をやる場所は日本と海外ではどちらが多いですか。

塩田:いや、どうだろう。この緑色の部分が私がベルリンにいない時期(塩田さんの年間スケジュール表を拝見しながら)。

中岡 :ほぼ半分ぐらいベルリンにいないんだ。

塩田:いないね。 ここに書かれているより今はもっと増えてるけど、ここも、ここもいないし。でもね、ほんとにほんとにもう、目の前の仕事を完璧にこなしていくだけだから、すごい短距離。今から2、3年は展覧会が決まっているので、それを一個ずつこなしていく。

蔵内 :ヨーロッパでの仕事が多いですか。

塩田:ヨーロッパとアジア、中国が増えてきて、 あと今サウジアラビアがすごい盛り上がってるよね。なんか100くらいの美術館を建設しているんだって。もうほんとにお金がそこに流れていて、キュレーターからもサウジアラビアではどうですか、って声がかかるの。それが1人や2人じゃなくて、たくさん話が来る。 だからそれで今どこが盛り上がってて、どこがっていうのがわかるし、お金の動きもわかるっていう。今はみんなサウジアラビアに行ってる。でも、今はどこに住んでいてもどこでも行けるもんね。だから仕事はその時々の情勢によって変わってくる。

制作の変化–スタッフの重要性

中岡 :現在と20代の時とで、作品の作り方は変わりましたか。

塩田:手伝ってくれる人が増えたかな。あの時は1人だったからね。もう自分ひとりのキャパ超えてるから。移動しすぎなのと、ここは自分の手が行き渡らないとかで。

上野:任せないとって感じなのですね。

塩田:全部自分でやるのは大変だもん。



塩田:こちらすごく大事なスタッフのともこちゃん。ベルリンで知り合って20年ぐらい。いや、もう20年以上。

上野:いま作られているのは全部サンプルですか。(写真:上)

ともこさん:これは全部もうマテリアル(作品の一部)でまだ作品になってないもの。私たちスタッフがやってるのは基本マテリアルです。塩田さんの作品はすごい細かいものでも大きいものでも、大量にマテリアルが必要なんで、それをもう散々作るんです。

上野:(箱の中に入れられたマテリアルを指して)ではこれで1つできるかなって感じですか。

ともこさん:いや、全然。もう延々と作っておかないと作品はできない。 イメージはもう彼女(塩田さん)が持っていて、私たちはそれに合うであろうマテリアルをとりあえず何千個という感じで作っていって、最終的に作品になっていく。

塩田:ヴェネツィアでの展覧会*とかは2人で、もう泣きながらしたよね。
* 第56回ヴェネツィア国際ビエンナーレの日本館(2015)で展示された《掌の鍵》では、空間を埋め尽くす赤い糸とそこに吊り下げられる無数の鍵が象徴的な作品。

ともこさん:そんなこと言ったらほんとに泣いちゃう。でも2人だけじゃないよ。

塩田:現地の人もいたね。大変だから。ほんとにみんなプレッシャー抱えてくるから、隣のドイツ館とかではアーティストが喧嘩ばっかりでもう最悪(笑)。作品(制作、搬入)に集中するのがすごく大変だった。

ともこさん:そんな大変な話ばっかりしないように(笑)。

塩田さん:あれは大変だった。だから信用できるスタッフはめちゃくちゃ大事。

作品制作の現地性

© Gabriel de la Chapelle  https://www.beauxarts.com/expos/en-images-chiharu-shiota-emerveille-le-bon-marche/

上野:(パリ、ボンマルシェでのプロジェクト)これって設置時間はどのくらいかかるんですか。

塩田:これは夜中に。デパートで1週間ぐらいかな。

中岡:これはユニットに分けて搬入して、現地でそれを繋げるんですか。

塩田:これはね、こうなってるから、ほんとにぺたんって、1枚になるの。

* パリ・ボンマルシェでも展示された畳まれた船の作品の説明をする塩田さん

中岡:展覧会をつくるとなったら、グループで作業するのですか。

塩田:みんなでって言っても、2人だけ。森美術館の時とか、大きい展覧会の時は4人で行くけど、 大体現地制作で。

上野:人間よりサイズの大きな作品がしばしばありますが、塩田さんが作るときに心地がいいサイズってありますか。それとも作品のテーマによってこういうサイズになった、とかのほうが多いですか。

塩田:現地制作だから、大きな作品の方がやりやすいかな。でも展示スペース全部。

中岡:ではその展覧会の空っぽなスペースを見て「これぐらいのサイズかな」という感じで制作に取り掛かるのですか。

塩田:キュレーターと美術館の人と話し合って、森美術館みたいに何部屋もあるところは インスタレーションの形式を取っていく。あと美術館のキュレーターの人とのやり取りはすごく大事。それで展覧会が作られていくから。

上野:インスタレーションだからコミュニケーションがすごく大事ですよね。

蔵内:そうなると大体どのくらい前から展示の声がかかるんですか。

塩田:1、2年。森美の時は2年ぐらい前かな。ギリギリで半年前。

上野:その展示スペースを見た時って全部埋めたいと思うんですか。それとも感覚的にこことここは作品で埋めてそこは埋めないどこうとか、そういうのってあるんですか。

塩田:私はもう人が入ってきた瞬間にどう感じるかっていうのを考える。最初の部屋は埋めて、次の部屋は埋めずに行くとか、そんな感じで作って、もう美術館は全体で2000平米とかだから。中国とかもすごい大きいもんね。まあどこも大きいけどね。今フランスでやってるところも3か所あって。

上野:やはり展覧会という形態の仕事が多いのか、それとも施設からの依頼のようなものとか、舞台芸術とか、、、色々あるのでしょうか。

塩田:色々、全部。舞台美術はたまにしかないけど。今やってる「イドメネオ」*は、 ジュネーブでやって、それがアムステルダムに行って、もう1つの場所に巡回する。
*「イドメネオ」:モーツァルトによるオペラ。2024年2月にジュネーブ大劇場、ジュネーブ、スイスにて初演。

上野:舞台芸術ってたくさんの人が制作に参加しますよね。

塩田:人も多いし、拘束時間もすごく長い。

塩田:あとはコレクターのお家に作品が欲しいっていうので作品を制作しに行ったこともある。 美術館がメインだけど。

中岡 :美術館、舞台を見に来る人やコレクターなどでそれぞれコミュニケーションの仕方は違いますか。

塩田:美術館の場合はキュレーターの人と一緒に作っていくから、そのやりとりがやっぱり自分でも楽しいのと、でもシアターはもうたくさんの人でやっていくから、自分の意見っていうか、自分がこうしたいとかがあっても、照明の人もコスチュームの人もこうしたいっていうものと全然違ったりして、そこの兼ね合いが難しい。

ヨウ:インスタレーションをやる意識と、コレクターさん向けの作品の意識の向け方は違いますか。

塩田:やっぱりどうしても違ってくるね。部屋(展示会場)全体にやるのがすごく好きなのが、コレクター向けの場合だとオブジェとか絵画みたいにそこからものを言わなきゃいけなくなってくる。

中岡 :美術館の制作が好きということですか。

塩田:そう。展覧会をやってると、もう水を得た魚みたいにどこでもいけるし。


塩田さんのお話を聞く財団生

上野:制作はスケッチなどをもとに、というよりも手を動かして作っていくという感じですか。

塩田:うん、現地で作っていく。もう現地に行ったらなんとかなるっていうので。

上野:2D(平面)からリサーチを始めて、 描き起こしてから3D(立体)にしていくアーティストの方と、現地に行ってそこの感覚でやっていく方と両方いると思うんですけど、塩田さんはどういう感じなのか、すごく気になってました。

塩田:現地、現地。あと、作っても現地に持っていったら全然合わないこともあって、アトリエで作ってたあの労力はなんだったんだろうとかって思うと嫌で、それでもう美術館に全部持って行って最初のうちは現地滞在期間を伸ばして洋服縫ったり(当時の作品制作)してた。最高で2週間滞在して、2週間以上になるともう緊張感が保たなくなるから、大きなところで2週間、 森美術館とかも10日間くらいかな。

中岡 :10日でもすごいスピード感ですよね。

塩田:でもそこに行ったらそれだけに集中できるから、割と幸せな時間で、あとのことはもう全部置いといて、制作だけする。

上野:いいですね。

中岡:その現地でやるってちょっとまだイメージできないんですけど、あらかたできてるものを持ち運んでからの現地制作なのか、ほんとに1つの糸から現地制作なのか。

塩田:もう1つの糸から現地ね。持ち運ぶのはネット、網ぐらいかな。 現地制作しないと糸は全部絡まってしまうから。

中岡 :その場で、なんか即興というか、やってることは結構ライブをやってるみたいな感じに近いのですか。

塩田:そうそう、”その場で”作ってる。

中岡 :確かに作品の強度というか、切迫感がいきなりふわっとできたっていう感じがします。

塩田:なかなか現地の美術館もそんなに時間を取らせてくれないから。でも現地で作って、もう悩んだ気持ちも、苦しんだことも、全部そこに入れていく。

中岡 :自分の過去の作品を振り返って見ると、その感覚は甦ってきますか。

塩田:でもあまり残らないよ。

中岡 :インスタレーションだから。

塩田:そう、写真でしか残らなくて、だから絵とかは残るけどインスタレーションはない。

大阪でみた船の思い出

中岡:塩田さんの作品によく使われる、船などの象徴的なモチーフにはどのような思いがあるのですか。

塩田:船には自分の思い出もあるかな。あと、ヴェネツィア。あそこは車は使わずに船で行き来するから。

中岡 :その場所と自分の記憶が合うモチーフなのですね。

蔵内:その船のイメージは大阪の思い出ですか。

塩田:うん。大阪の南港から高知港に一晩出て、夜の船があって、それでよく祖父母のとこ行ってたから、両親が高知県出身でね。なんかこう、目が覚めたら異国に来る感じ。 今は飛行機だけど。

上野:糸や鍵だったり、こういう船だったり、違うマテリアルが合わさる時ってあるじゃないですか。そういうとき、異なるマテリアルが作品制作に入ってくることへの躊躇やリアクションなどはありますか。

塩田:(感覚的に)そう、次は鍵でいきたいとか、いつもそういうのがあって。KÖNIG GALERIEでやった「I hope…」(2021) という作品はコロナ禍で、 隔離してたり、ステイホームだったりって、なにか望みがないと前に進められないっていう感じで。 ”I hope”って書いてそこから繋げて、紙になにか書いてもらって、それを展示してた。

蔵内 :2019年に森美術館でやった展示が自分の中では印象に残っているのですが、そこからコロナがあって、今回の大阪の展示ではだいぶモチベーションや気持ちのあり方などは変わっていると思いますか。

塩田:変わったと思う。(コロナ)前と後でちょっと違うよね。

蔵内:違います。

上野:こういうとこから次の大阪中之島美術館での展示に繋ぐっていうのもインスピレーションを受けて繋いで、という感じなのですか。

塩田:今回のは”コロナ後”。コロナ中って繋がってはいけないと言われてて、人と繋がると死んでしまうような隔離された環境のところにいた。でも実際コロナが明けてみると、これだけ繋がってたんだっていうのがわかるっていうので、 繋がる私を”I(アイ)”にして、目の”eye”と心の愛”ai”にしました。

中岡 :繋がってると思った時ってありますか。

塩田:でもね、なにかで繋がってるよね。こう、社会に生きてると繋がってない人はいないと思うんです。こう、何らかの形で関係してる。


「塩田千春 つながる私(アイ)」2024年9月14日(土)~12月1日(日)/大阪中之島美術館 5階展示室 
大阪中之島美術館「塩田千春 つながる私(アイ)」 公式ホームページ:https://nakka-art.jp/exhibition-post/chiharu-shiota-2024/


塩田千春アトリエ訪問ギャラリー


アトリエの糸が保管されている大きな棚とそれを覗く塩田さんと財団生、プレス資料を見せていただいている様子

アトリエのボードに貼られた塩田さんの作品制作のためのスケッチ

デジタル化以前の過去の展覧会の資料


塩田さんが制作のために収集されたアンティークたち

作業するスタッフの方々

沢山のロープが垂れ下がるアトリエの天井


Photo by Sunhi Mang

塩田千春
1972年、大阪府生まれ。ベルリン在住。
生と死という人間の根源的な問題に向き合い、「生きることとは何か」、「存在とは何か」を探求しつつ、その場所やものに宿る記憶といった不在の中の存在感を糸で紡ぐ大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など多様な手法を用いた作品を制作。
2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
アーマンド·ハマー美術館、ロサンゼルス(2023年)、ブリスベン近代美術館(QAGoMA)、ブリスベン(2022年)、カールスルーエ·アートアンドメディアセンター(ZKM)、カールスルーエ(2021年)、ニュージーランド国立博物館、ウェリントン(2020年)、森美術館、東京(2019年)、グロピウス·バウ、ベルリン(2019年)、南オーストラリア美術館(2018年)、ヨークシャー彫刻公園、イギリス(2018年)、パワーステーション·オブ·アート、上海(2017年)、K21 − ノルトライン·ヴェストファーレン州立美術館、デュッセルドルフ(2015年)、スミソニアン·サックラー·ギャラリー、ワシントンD.C.(2014年)、高知県立美術館(2013年)、国立国際美術館、大阪(2008年)を含む世界各地での個展のほか、奥能登国際芸術祭(2017年)、シドニー·ビエンナーレ(2016年)、越後妻有アートトリエンナーレ(2009年)、横浜トリエンナーレ(2001年)などの国際展にも多数参加。2015年には、第56回ヴェネチア·ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家として選出される。

【今回インタビューした2024年度 財団奨学生】

上野 里紗/Risa Ueno (51回生)
イギリス・ロンドン在住、編み作家。ロンドン芸術大学 セントラル・セント・マーチンズで学士テキスタイルデザイン、修士Art & Scienceを修了。日常-衣食住を素材に、手引きとしての数学・科学とテキスタイル=考えを翻訳する道具を用いて作品制作する。LVMH Maison 0 / This Earth Awardショートリスト、MullenLowe Nova Award ノミネート(2023)。Interstice: Art & Science collectiveにて「Interstice」出版(2023)。


蔵内 淡/Dann Kurauchi(51回生)
2003年東京都生まれ。2022年ロンドン芸術大学 セントラル・セント・マーチンズ Foundation Diploma in Art and Design修了。現在は同校で学士ファインアート2D専攻に在籍中。絵画だけでなく立体や映像作品など、媒体にとらわれない自由な実践アプローチを執ることで、生産の欲望を多様な方向へと発散させることを試みている。


中岡 尚子/Hisako Nakaoka(52回生)
ドイツ・ベルリン在住。人は音をどのように聴き、感得できるのかを考える。主にマイクロフォンやスピーカーを用いたサウンドインスタレーションやパフォーマンスを制作し、録音の作為を身体的に捉えようとする。近年は、私たちは誰かの他者であるという実感を音によって強めることに関心を持ち制作する。東京藝術大学音楽環境創造科卒業。ベルリン芸術大学Sound Studies and Sonic Arts (MA) に在学。



ヨウ シジン/YE ZIJING (53期生)
中国生まれ。2023年多摩美術大学彫刻学科卒業。現在はUCL Slade School of Fine Arts MFA Sculptureに在籍中。

(取材日:2024年5月31日 文章:上野里紗、リサーチ:中岡尚子、編集:蔵内淡・ヨウシジン、撮影:蔵内淡)


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