2019/12/14

第25回リクルートスカラシップコンサートの開催報告

2019/12/14

20191214日(土)1300開演・第一生命ホール

器楽部門現役奨学生が一堂に会し、この1年間の成果を披露するコンサートが開催されました。

今年度は現役奨学生13名、個人助成事業対象者2名、そして特別出演者として第47回生でもあるヴィオラ奏者の田原綾子さんをお迎えし、総勢16名が今年度の成果を披露すべく渾身の演奏を披露しました。奨学生達は、今年度も国内外の学校、コンクール、コンサート、その他様々な場所で日々研鑽を積み、貴重な経験を積み重ねてきました。嬉しい事、楽しい事ばかりではなかったかもしれません。それでも困難を乗り越えて更に大きく成長した奨学生達の演奏は、聴衆を感嘆させるものだったようです。

◆プログラム
I.プロコフィエフ:  2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56
  1st Vn. 戸澤采紀 / 2nd Vn. 前田妃奈
II.メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調 作品66
  Vn. 周防亮介 / Vc. 水野優也 / Pf. 小林海都
III.デザンクロ:  プレリュード、カデンツァとフィナーレ
   Sax. 上野耕平 / Pf. 阪田知樹
IV.シューマン: ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47
   Vn. 辻彩奈 / Vla. 田原綾子 / Vc. 岡本侑也 / Pf. 阪田知樹
V.モーツアルト:ヴィオリンソナタ第21番 ホ短調 K.304
     Vn. 北川千紗 / Pf. 反田恭平
VI.ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57
  1st Vn. 吉田南 / 2nd Vn. 外村理紗 / Vla. 田原綾子 / Vc. 上野通明
        / Pf. 桑原志織
(企画・プロデュース:伊藤 恵)

I.プロコフィエフ:  2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56
  1st Vn. 戸澤采紀 / 2nd Vn. 前田妃奈

一曲目のこの大曲を演奏したのは、今年度から新たに江副記念リクルート財団の奨学生となったまだ10代の二人。そんな二人の高度な、そして心に響く演奏に聴衆は驚いた様子。

(演奏会の写真はすべて西野 正将(第34回奨学生)撮影)

II.メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調 作品66
  Vn. 周防亮介 / Vc. 水野優也 / Pf. 小林海都

男性3人の力強さの中に、研ぎ澄まされた透明な音色で心が洗われるよう。メンデルスゾーンの美しい旋律に3人の演奏が絡み合い、聴き手も息が付けない。

III.デザンクロ:  プレリュード、カデンツァとフィナーレ
   Sax. 上野耕平 / Pf. 阪田知樹

サックスの音色の魅力と、広がる世界の大きさを感じる。ピアノとサックスの繊細で複雑な絡み合いが面白い。

IV.シューマン: ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47
   Vn. 辻彩奈 / Vla. 田原綾子 / Vc. 岡本侑也 / Pf. 阪田知樹

あまりに美しい旋律。3つの弦楽器の深みのある温かい音色が溶け合い、ピアノが包み込む。それぞれの楽器のソロも、合奏も聞き逃せない。

V.モーツアルト:ヴィオリンソナタ第21番 ホ短調 K.304
     Vn. 北川千紗 / Pf. 反田恭平

モーツァルトの中では珍しい短調の特別な存在の曲。切なく物悲しい旋律をピアノとヴィオリンが表情豊かに紡ぎ合い、聴き手をその甘美な世界に誘う。

VI.ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57
  1st Vn. 吉田南 / 2nd Vn. 外村理紗 / Vla. 田原綾子 / Vc. 上野通明
        / Pf. 桑原志織

最後を飾る曲はさすがに厚み、深みがある五重奏曲。迫力のある旋律が、聴き手を非日常の別世界に引き込む。

♪これまでの研鑽の成果を存分に披露し終演

お客様は皆、若い奨学生達の素晴らしい演奏に感嘆した様子で、惜しみない温かい拍手を送っていました。奨学生達もお客様の拍手に感謝し、更なる前進を目指して気持ちを新たにしていました。

制作:成田久(第26回奨学生)