2018年10月にインディアナポリス国際ヴァイオリンコンクールで第2位を受賞された外村理紗さん。この受賞を機に、2019年は紀尾井ホールでリサイタルを開くなど、活躍の機会が大きく広がったようです。ご自身も「1年前には想像もできなかったような貴重な経験をたくさん積ませていただいた」とのこと。2019年は外村さんにとって本当に大きな飛躍の年だったようです。また2020年も高校卒業の節目となる年。リサイタルやコンクールのこと、また今後の抱負についてお聞きしました。
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Q1. この日の演奏会では、聴衆の皆様に何をお伝えしたい、何をお見せしたいと思って演奏されましたか。
A1. この演奏会のプログラムは私自身大好きでずっと憧れていた曲や思い入れがある曲を揃えたということももちろんのこと、自分の中で曲の背景を考えてプログラムを組んだので、それぞれの曲の魅力とキャラクターの違いを最大限に感じて頂きたいと思って演奏しました。
Q2. 演奏中も、演奏後も、ヴァイオリンが大好き!という気持ちが伝わってきます。外村さんにとってヴァイオリンはどんな存在で、ヴァイオリンの魅力はどんな点にありますか。
A2. 人生の大半をヴァイオリンと一緒に過ごしてきました。言葉では上手く表せませんが、私自身の生き方をそのまま表現することができる私にとっての核のような存在です。
Q3. 2018年10月にインディアナポリス国際ヴァイオリンコンクールで第2位を受賞されました。このコンクールは初めての国際コンクールだったそうですが、慣れない土地での大きなコンクール。精神的にも身体的にもかなりきついものだったのではないですか。どうやって乗り越えましたか。
A3. やはりプレッシャーもあってか、出国する前日に指が痛くて弾けなくなってしまったり、本番の最中に突然片耳がふさがってしまったり、風邪をひいてしまったり…と、とにかく精神的にも身体的にも安定しませんでした。しかし幸いコンクールには母がついてきてくれていて、身の回りの世話を全てしてくれたり、体調や手の調子が悪い時も精神的に不安定な時も支えてくれました。そのおかげでなんとか乗り越えることができたのだと思います。本当に心から感謝しています。
Q4. この大きなコンクールを経験し、結果を残したことで、大きな収穫があったと思いますが、いかがでしょうか。
A4. こんなに名誉のあるコンクールで賞を頂いたということももちろんそうなのですが、何より大きな舞台でプレッシャーに負けずに4ラウンド全て弾き切ったという事実が1番の自信になりました。また、他に受けていた方々から精神的にも音楽的にも学んだことがたくさんあり、それも大きな財産となりました。
Q5. インディアナポリス国際コンクールに続き、2018年11月にはNY Young Concert Artists International Audition で第1位を受賞されました。その結果、2019年は活躍の場が大きく広がったと思います。2019年はどんな年だったでしょうか。
A5. 2019年はこうして紀尾井ホールでリサイタルをさせて頂いたり、オーケストラと共演させて頂いたり、アメリカでのコンサートを頂いたりと、1年前には想像もできなかったような貴重な経験をたくさんさせて頂きました。たくさんの貴重な機会を頂くことができたおかげで色々な面で成長できた年だったと感じています。
Q6. 今年の3月に高校を卒業されますね。この先どんな方向を目指し、何を勉強し、どんな演奏家になりたいとお考えですか。
A6. 今年からアメリカの大学に留学したいと考えています。私にとって初めての寮生活になるので少し不安ですが日々精進の気持ちを忘れず、音楽面はもちろんのこと人間的にも成長できるよう頑張りたいです。また、今少し室内楽の勉強をさせて頂いているのですがアメリカでも引き続き勉強を続けたいと思っています。将来はソロだけでなく室内楽や即興演奏など幅広く活動できるような国際的なヴァイオリニストになりたいです。
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コンクールに向けて出国する前日に指が痛くて弾けなくなったり、本番の最中に突然片耳がふさがってしまったり、本当に苦しい経験をされたのですね。それでも第2位という結果を残せたことは、外村さんにとって大きな自信となったことでしょう。今年からのアメリカ留学でも大変なことはたくさんあるかもしれませんが、これまでの経験と自信を基に、また貴重な経験を積んで一回りも二回りも大きく成長されることでしょう。その成果を聴かせていただくのが今から楽しみです🎻
ヴァイオリンリサイタル 紀尾井 明日への扉
日時:2019年12月16日
19:00
会場:紀尾井ホール
ヴァイオリン:外村理紗
ピアノ:伊藤恵
◆プログラム
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 Op.105
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調Op.80
<休憩>
ショーソン:詩曲 Op.25
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調