コンサート CONCERT
第29回リクルートスカラシップコンサート
2023/08/03
開催概要
日付:2023年 12月16日(土)
時間:13:00開演 16:00終演予定 ※12:15開場
会場:紀尾井ホール
出演者
MINAMI(ヴァイオリン)、辻 彩奈(ヴァイオリン)、外村 理紗(ヴァイオリン)、
戸澤 采紀(ヴァイオリン)、鳥羽 咲音(チェロ)、亀井 聖矢(ピアノ)、
吉見 友貴(ピアノ)、北村 陽(チェロ)、佐藤 晴真(チェロ)、
柴田 花音(チェロ)、服部 百音(ヴァイオリン)、HIMARI(ヴァイオリン)
特別出演:石田 紗樹(ヴィオラ)、鈴木 慧悟(ヴィオラ)、小林 海都(ピアノ)
計15名(敬称略)
※ヴィオラの出演者に変更がありました
チケット
イープラス
プログラム
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チャイコフスキー/弦楽六重奏曲《フィレンツェの思い出》作品70
(辻 彩奈、戸澤 采紀、鈴木 慧悟、石田 紗樹、佐藤 晴真、北村 陽) -
本作は、チャイコフスキー唯一の弦楽六重奏曲であり、ブラームス、シェーンベルクの作品と並んで演奏機会の多い弦楽六重奏曲の一つ。 1890年イタリア・フィレンツェにて歌劇《スペードの女王》作品68をわずか6週間で書き上げた後に作曲された、チャイコフスキー最後の室内楽作品。作品の構想は、1887年ジョージア滞在中にしたためられていたスケッチまで遡るとされている。1890年の初演後に改訂され、1892年に出版された。
ドラマティックな第1楽章は仮面舞踏会のワルツを思わせる。第2楽章は、訴えかけるような序奏と不穏な空気が漂う中間部を持つセレナーデから成る。ギターを模したピッツィカートの伴奏にのって旋律がヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと受け渡される魅力的な楽章。第3楽章は、民謡風なスケルツォ。最終楽章は、民族的な色合いの強い舞曲風のロンド。ホパーク(コサックダンス)風なリズムが支配する中にフガートが現れ、緊張感が高まっていく。最後は熱狂的なクライマックスのうちに曲を閉じる。
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フランク/ヴァイオリンソナタ イ長調
(MINAMI、吉見 友貴) -
ベルギーに生まれながらも、その生涯の殆どをフランスで過ごしたセザール・フランクは、リストらのような名ピアニストになるべく幼少期から英才教育を施された。ピアノ演奏以上に作曲に関心を持っていたフランクは、20代より作曲家としての道を歩み始める。代表作の多くが最後の10年に書かれたこともあり、作曲家としての真価が広く認められるようになったのは、晩年になってからだった。亡くなる4年前に作曲されたヴァイオリン・ソナタは、作品の被献呈者であり、名ヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイが世界各地で演奏したことも手伝って、初演から今日に至るまで最も愛好されているヴァイオリン・ソナタの一つとして知られている。
夢のような浮遊感を感じる第1楽章は、ソナタ形式で書かれていながらも作品全体の序章のようでもある。ヴァイオリンが冒頭で奏でる第1主題は、作品に出てくる主要な旋律の素となっている。情熱的なピアノとヴァイオリンの掛け合いが印象的な第2楽章は、作品の軸となる楽章。レチタティーヴォ・ファンタジアという副題が掲げられた第3楽章では、前の2つの楽章の主要な旋律が現れては消えていく。魂が浄化されるような美しい楽章。多幸感に満ちた優美かつ華やかな第4楽章で、作品を締めくくる。
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ショパン/ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8
(服部 百音、鳥羽 咲音、亀井 聖矢) -
40年に満たない短い人生で、数々のピアノ曲を作曲したショパン唯一のピアノ三重奏曲。彼の遺した楽曲の殆どがピアノソロ作品であるが、ピアノ以外ではチェロの為に《 チェロ・ソナタ ト短調 作品65 》など重要な作品が書かれており、今日でもチェロ奏者によって頻繁に演奏されている。それは、ショパンの周囲にチェロの名手がいたことが関係している。ワルシャワ音楽院の卒業作品として作曲された本ピアノ三重奏曲も、ポズナン大公国総督でチェロの名手でもあったラジヴィウ公との演奏を想定して書かれたとされる。後に作曲者自身が「ヴァイオリンよりヴィオラの方がチェロとのバランスの上でも良いかもしれない」と知人への手紙で書いていたことは興味深い。
作品中最も規模が大きく、悲壮感が漂う第1楽章は、ソナタ形式でありながらも特殊な調性選択により主題の対比がややわかりにくくなっている。構成の点においては、ピアノ・ソナタとの共通点も散見される。第2楽章は、シューマン風なトリオを伴う生き生きとしたスケルツォ。第3楽章は、美しい夜想曲風のアダージョ。第4楽章は、華やかな民族舞曲風のフィナーレ。
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ブラームス/ピアノ五重奏曲 ヘ短調作品34
(外村 理紗、HIMARI、石田 紗樹、柴田 花音、小林 海都) -
40年に満たない短い人生で、数々のピアノ曲を作曲したショパン唯一のピアノ三重奏曲。彼の遺した楽曲の殆どがピアノソロ作品であるが、ピアノ以外ではチェロの為に《 チェロ・ソナタ ト短調 作品65 》など重要な作品が書かれており、今日でもチェロ奏者によって頻繁に演奏されている。それは、ショパンの周囲にチェロの名手がいたことが関係している。ワルシャワ音楽院の卒業作品として作曲された本ピアノ三重奏曲も、ポズナン大公国総督でチェロの名手でもあったラジヴィウ公との演奏を想定して書かれたとされる。後に作曲者自身が「ヴァイオリンよりヴィオラの方がチェロとのバランスの上でも良いかもしれない」と知人への手紙で書いていたことは興味深い。
作品中最も規模が大きく、悲壮感が漂う第1楽章は、ソナタ形式でありながらも特殊な調性選択により主題の対比がややわかりにくくなっている。構成の点においては、ピアノ・ソナタとの共通点も散見される。第2楽章は、シューマン風なトリオを伴う生き生きとしたスケルツォ。第3楽章は、美しい夜想曲風のアダージョ。第4楽章は、華やかな民族舞曲風のフィナーレ。
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ブラームス/ピアノ五重奏曲 ヘ短調作品34
(外村 理紗、HIMARI、石田 紗樹、柴田 花音、小林 海都) -
ブラームスの最も重要な室内楽作品の一つと言えるピアノ五重奏曲は、やや複雑な過程を経て作曲された。当初ブラームスは、フランツ・シューベルトの楽曲に倣ってヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2という楽器編成での弦楽五重奏を作曲した。この弦楽五重奏は、ブラームスがウィーンに移住した1862年頃に完成したとされている。友人で名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに意見を求めたところ、一定の賞賛を得られたと同時に、改訂すべき点の指摘も受け、弦楽五重奏を破棄し、改作することを決意した。約2年後、作品は2台ピアノの為のソナタに姿を変えていた。このソナタは、何度か演奏された後に友人達の勧めもあって、ピアノ五重奏曲に改作されることとなる。ブラームス自身は、2台ピアノ版の内容に納得していた部分もあったようで《 2台ピアノの為のソナタ ヘ短調 作品34bis 》として出版されている。ピアノ五重奏の初演は1866年ライプツィヒにて行われた。
悲劇的かつ情熱を感じさせる第1楽章。対して第2楽章は、優しさと抒情性に満ちている。第3楽章のスケルツォでは、不安、勇壮さなど様々な性格の音楽が次々と現れる。第4楽章は、ハンガリー風のフィナーレ。ツィンバロンを模したピアノの上で奏でられるチェロの旋律がとりわけ印象的。
主催・お問い合わせ
公益財団法人江副記念リクルート財団
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