2025/04/02

飯村一輝 卒業レポート

2025/04/02

飯村一輝

飯村 一輝 Kazuki Iimura

フェンシングには3種目あり、中でも私が取り組んでいるフルーレは、一瞬のうちに繰り広げられる攻撃権の移動と素早い剣さばきが見どころです。相手の次の手を読み合う、選手間の駆け引きが魅力です。自身の強みは、一瞬で相手との距離を…

 江副記念リクルート財団の奨学生としてフェンシング競技に没頭することができたこの2年間は、私自身の成長を実感することができた期間でした。貴財団に支援していただくことになった2023年4月は、1年間のパリオリンピック選考シーズンが始まった時と同じでした。私自身初めてのオリンピックを目指す上で、ワクワクするも息苦しい複雑な感情を抱いている中、共に歩を進めることができる貴財団の皆様に出会えたことは心強かったです。当時の目標はパリオリンピックに、私が金メダリストとしてふさわしいかどうかを問いに行くことでした。しかし、個人戦においても団体戦においても出場できるか怪しい立ち位置にいました。そのため具体的な目標としては、日本の世界ランキングを4位以上でキープすること、尚且つ個人の世界ランキングにおいて、日本人の中で2位以上にいることでした。団体ではなんとか4位を保つことができていたものの、個人では3位と4位を行ったり来たりする苦しい時間を長く過ごしました。しかし、2023年7月の世界選手権で男子フルーレ史上初の団体金メダルを獲得して以来、日本の世界ランキングは1位になり、個人戦においても好調な成績をコンスタントに残すことができるようになりました。これは自分がコツコツ積み重ねてきたものに自信がつき、それを信じて貫くことができるようになったことがきっかけで、そこには必ず貴財団の皆様のサポートがありました。翌年のパリオリンピックでは個人戦4位、団体戦金メダルという結果を残すことができましたが、不安定だった私を信じて後押ししてくださったおかげだと確信しております。今後の活動としては、2028年ロサンゼルスオリンピックにてパリで獲得できなかった個人金メダル、そして団体では二連覇を目標とします。

©️(公社)日本フェンシング協会

 
 また、貴財団に支援していただいた2年間で、たくさんの方と出会い自分の視野を広げることができました。フェンシングを始めて15年間、他種目や他分野の方とお話しする機会はほとんどありませんでしたが、スポーツ部門だけでなく他分野の奨学生とお話しする機会をいただきました。スポーツ部門では、他競技で活躍されているさまざまな年齢の方と出会い、オリンピック後には学術部門の方にインタビューしていただくこともありました。そこで自分の視野の狭さを痛感し、たくさんの方と出会い会話しながら自分の視野を広げる大切さを学びました。人として大きく成長できたと実感しています。

©️(公社)日本フェンシング協会

 最後に、後輩たちへ今を楽しんでくださいというメッセージを残します。私の経験上、調子が良い時は何事も楽しめている時です。これは自分が取り組んでいる競技だけでなく、学業や私生活にも当てはまることだと思います。何かにイライラしたり、うまくいかなくて気分が落ち込んだりする時もあると思いますが、そのような時こそ、その状況や環境を楽しめるメンタルを育ててみてください。そうすることで物事に一喜一憂することがなくなり、揺るがない自信を持って進むことができるようになると思います。あなた自身があなたを一番信用して応援してあげてください。

©️(公社)日本フェンシング協会