――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?
私の将来の夢は、非伝統的な動物種に重点を置きながら、研究を通じて臨床医学を発展させる獣医師になることです。私は昔から動物が大好きで、エキゾチックアニマルは私の心の中で特別な位置を占めていました。私が獣医学に惹かれたのは、この職業がもたらすユニークな課題のせいかもしれません。先ず、患者は私たちに話しかけて、どこが痛いのかを教えてくれるわけではないので、基本的な身体検査と診断検査をもとにパズルを組み立てていかなければなりません。また、クライアントのすべてが同じように人間と動物の絆を持っているわけではないので、動物の健康を擁護しながら、クライアントの目標に沿ったアプローチをしなければなりません。更に、獣医学が職業として多様性に富んでいることも気に入っています。
獣医師というと、犬や猫を治療する医者というイメージで見られることが多いですが、実際は非常に多様な職業であり、研究、農業、公衆衛生等のあらゆる側面にも関わっています。例えば、生産動物の獣医は食の安全や動物福祉を監督し、産業獣医師はワクチン開発や人獣共通感染症の疫学に携わることもあります。
現在、私の関心は臨床研究にあります。私が所属するコーネル獣医大学院は、大学病院を併設し、他の医療機関(病院や診療所)から紹介される重症な疾患を中心に、高度な医療サービスを提供しています。そうした三次紹介の大学病院で働くことで、私は人間の医学レベルに匹敵する、この国で最も進んだ獣医学を経験することができました。しかし、それでもなお恒常的にリサーチ不足と言える分野があって、それは非伝統種や外来種に関する研究です。ある種の血液化学的正常値のような単純なパラメータについてさえ、明確なデータがないこともあります。当然ながら、医療におけるあらゆるものは、その特定の個体に合わせて調整されなければならなりません。解剖学や生理学における種の違いや疾患の特徴など、今後解明が進んでいくにつれ患者へのアプローチ方法が根本的に変わる可能性もあり、獣医師はどのような状況にも適応できるように準備しなければならなりません。
私はこの臨床研究に貢献し、野生動物や保護医療、コンパニオンエキゾチック医療、動物園医療など複数の分野に応用したいと考えています。どの動物も同じように質の高いケアを受ける資格があり、動物種間の平等を実現するためには、より多くの臨床研究がどうしても必要なのです。私はすでにいくつかの小さな研究プロジェクトを立ち上げ、完了させています。
――日常生活、生活環境について
今、私は臨床年次で、大学病院内の各サービスを2週間ずつローテーションしています。小動物病院、大動物病院、野生動物病院に分かれ、人間医療とほぼ同じサービスを提供しています。私はこれまでに、神経学、麻酔学、実験動物医学、大動物内科、眼科、整形外科、大動物外科をローテーションしました。学生としての責任には、初期検査、診断、手術の補助、顧客とのコミュニケーション、医療記録の管理、そしてすべての患者に対する毎日の看護が含まれます。どの仕事からも多くのことを学び、臨床医として日々成長していると感じています。勤務時間は長く、時には1日16時間労働に加え夜間オンコール(当直)もありますが、学ぶ価値のある経験です。週末も働くことが多いのですが、自分のための時間を作り、友人とつながるようにしています。病院でクラスメートと一緒に働くことは、とてもやりがいのある経験です。彼らは将来、私の同僚になるのですから、私たちは常にお互いを支え合っているのです。
――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負
この臨床の1年間で、私は臨床医としても人間としても成長することを目指しています。医学的な知識を習得すること以上に、この1年は、責任を負うこと、チームとして働くこと、が重要だと感じています。こうした資質や心構えは、ある病気のプロセスについてどれだけ知っているかということよりも重要かと思います。厄介な事態に適応する方法、ストレスの多い状況に対処する方法、助けを求める方法などは、教授陣が強調しているスキルです。獣医師資格試験の勉強と卒後インターンシップへの応募を両立させながら、1年を通してこれらのスキルを伸ばしていきたいと思っています。