2019/02/04

久保田 しおん 活動レポート

2019/02/04

久保田しおん

久保田 しおん Shion Kubota

感動は人類の善意的行動を生み出す究極のツールだと私は信じています。私が行っているニュートリノに特化した素粒子物理学の研究では、「私たちはどのようにしてこの宇宙に存在し始め、なぜ存在し続けられるのか」など、人類が抱いてきた…

私の通うマウントホリヨーク大学は、アメリカ東海岸のボストンから車で2時間ほどの場所に位置しています。

一年前の私は、友人にどんな大学に行くの?と聞かれるたびに「こんな感じの女子大!」といってこの建物の写真をインターネットから探して見せていました。赤レンガでできた大学校舎に囲まれての学園生活は、私の昔からの憧れだったのです。

今となっては、この時計台の中の鐘の音に毎朝飛び起き、シャワールームにかけ込んでいます。忙しくも、刺激と興奮でいっぱいの一日の始まりです。

自然が美しく映える湖の横の道を通り、爽やかな朝の空気を吸いながら授業に向かいます。
(冬の間は肺が凍りそうなほど冷たい空気を吸っています)

物理とコンピューターサイエンスの同時専攻をしている私は、毎日いずれかの科目の授業を取るようにスケジュールを組んでいます。どちらも課題やラボの時間が非常に多く忙しいですが、教授たちの手厚いサポートのもと、リサーチなどたくさんの機会をいただきつつ学びを深めています。

そしてそれらの教授による授業には、理系分野に進む女性を支援する大学としての特徴が強く反映されています。例えば、授業の最中に賃金の男女間の不平等さなどのトピックが上がるのは日常茶飯事で、物理の授業中にそのまま男女平等に関するディスカッションが始まってしまうこともあります。教授の生徒たちの卒業後の活躍をサポートしたいという強い思いがひしひしと毎日伝わってきます。

授業後は薙刀部の練習やオーケストラの練習に参加し、自分の好きなことを通して学術面以外の教養を高めたり、掛け替えのない仲間との会話を楽しんだりしています。

このオーケストラでは恒例の、コンサート後のphoto shooting

毎年薙刀部でニュージャージーに世界大会・セミナーの遠征に行っています

1年前は写真の向こうの赤レンガに想いを馳せるだけの私でしたが、今となってはその環境で毎日自分が持ち得るエネルギーを生かしきって、自分が想いもよらなかったような大学生活を切り開いています。このような環境で1年を過ごせたこと、そして私の大切な未来への第一歩をここで歩み出せたことを誇りに思います。