2019/06/20

アジアフェンシング選手権大会2019

2019/06/20

東晟良

東 晟良 Sera Azuma

東京オリンピックまであと四年しかないので今からシニアの大会に出ていっぱい経験し、色々な選手のフェンシングを見て学び自分の物にし、世界で戦える選手になりたいです。

目指すはアジアの頂点。
個人と団体、どちらも目指すのは金メダル

2020東京オリンピック出場に向けてのポイントレースが2019年から始まっている。アジア選手権は、世界選手権同様にポイントとなる重要大会なのだそう。6月15日は個人種目の男子エペと女子フルーレが行われ、2019年度奨学生・加納虹輝(かのうこうき)さんと2017年度奨学生・東晟良(あずませら)さんふたりが登場した。

加納さんは個人13位 団体銅メダル
「1試合1試合と積み重ねて行けば必ずメダルに届く」

エペ種目は全身どこを突いても有効。加納さんはフルーレからエペに転向して才能が磨かれたそう

加納さんは7人総当たりのプール戦(予選)で5勝1敗。「強い選手に1敗してしまったけど、一番アツいグループで調子よく勝てた」と、予選7位/85人でトーナメントへ。
トーナメント初戦(ベスト62)はカンボジアの選手に15-7で勝ち、2戦目で香港の選手にも15-9で勝利した。「香港のFong Hoi SUN 選手は昨年のアジア選手権優勝者、その選手に勝てたのは自信になった」と加納さん。
しかし、ベスト16の試合は、ナショナルチームで共に練習している宇山選手が相手となった。お互いを知り尽くしているだけに、試合は初めから探りあっている様子が見てとれた。リズムを取って攻め入ろうとする加納さんと、急にかがむなどトリッキーな動きを見せる宇山選手。なかなか点差がつかなかったが、中盤になって7−5と加納さんが2点差をつけた。が、すぐに連続してポイントを奪われて逆転されてしまった。8-10。エペはほかの種目と違い、同時の突きはどちらにもポイントが入るため、実力が拮抗して同時打ちが続くと先に15ポイントに届いた方が勝ちとなってしまう。
試合は2ポイント差のまま12-14となり、加納さんは13-14まで粘ったが、最後は決められて13-15の惜敗に。個人戦は13位の結果となった。
2日後の18日は団体戦。加納さんは団体戦にも登場し、金メダルは逃したが日本男子エペチーム3位に貢献した。
「個人戦で日本人対決となって負けてしまったのは悔しいですが、香港の選手に勝てたことは自信になりました。ディフェンスの場面になると守りに徹してしまう課題も明らかになったし、東京オリンピックに向けては1試合1試合積み重ねていけば、個人でのメダルも十分届くと思います」と、加納さんは個人戦後のインタビューで覚悟を語っていた。応援しています!

「スピードが速いのが強み」とインタビューに応える加納さん。早稲田大学4年生

 

東さんは個人銅メダル 団体金メダル
おめでとうございます!

東晟良さんはプール戦を「かつてない酷さ」(本人談)で終了。勝てるはずの相手に連敗して、総当たり6戦で3勝3敗、27位/53人でのトーナメント入りになってしまった。
しかし、トーナメント初戦のマレーシアの選手には15-5と圧勝。続いて2戦目も15-5、予選の不調は幻だったの?と思えるような圧勝ぶり。3戦目も中国選手に冷静に反応して15-9とベスト16に入った。半日も待たずに復調できる頼もしさだ。

試合の前にストレッチをする東さん。フルーレ種目は頭・腕・足を除く胴体部分への突きが有効


準々決勝となる4戦目は、同じナショナルチーム菊池選手との日本人対決に。出方を見極めようとするふたり、試合は4−4と並ぶスタートとなった。そこを突き抜けたのが東さん。ポイントを連続して取り10-4に、そして最後は15-9で決めて準決勝へ進出した。
時間になり、勝ち抜いた4名がメインピストで紹介されて準決勝がスタート。観客全員の視線が集まってぐっと緊張感が高まる試合の相手は、昨年のアジア選手権チャンピオン・韓国のジュオン選手だ。身長157cmの東さんに対し169cmのジュオン選手は見るからに威圧感があるのだが、東さんは低い姿勢を保って冷静に間合いを計っている。東さんが先制、1−0。そして攻撃の隙を突いてポイントを重ねて6−0とした。すごい!
しかし、ここからジュオン選手が反撃を開始、逆に6連続ポイントを許してしまった。その後お互いに攻防を重ねたが「何度も戦った相手、強いところは気をつけてアタックも仕掛けたけどミスも多くて」(東さん)、最後は時間切れの一本勝負で13−12で敗退。3位となった。
「ジュオン選手にはずっと負けていて、でもこの前のグランプリでは勝ったんです。だから、余計悔しい・・。この悔しさは、次の世界選手権で晴らします。そしてこの大会では団体戦の優勝を目指します」と、東さん。その言葉通り団体戦決勝では強国の韓国を破り、日本女子フルーレ初のアジア選手権金メダルを獲得した。おめでとうございます!

低い姿勢を保ち続けられる、身体が柔らかい東さん(右)。日本体育大学2年生

<結果>

男子エペ 
加納虹輝(2019年度奨学生) 個人13位 団体3位

女子フルーレ 
東晟良(2019年度奨学生) 個人3位 団体優勝

女子サーブルにも福島さん登場
福島史帆実(2017年度奨学生) 個人3位 団体3位

http://championship.fencing-jpn.jp/asian/

 

アジアフェンシング選手権大会2019

日時:2019年06月15日 会場:千葉ポートアリーナ

男子エペ種目 加納虹輝(かのうこうき)さん
女子フルーレ種目 東晟良(あずませら)さん