2019/07/01

第103回日本陸上競技選手権大会

2019/07/01

北口榛花

北口 榛花 Haruka Kitaguchi

やり投げは600gのやりを助走して投げ、その飛距離を競う種目です。美しい放物線と選手一人ひとりの個性が魅力です。私の投擲の魅力は柔軟性を生かしたしなやかな投擲です。東京オリンピックでは日本人女子初のメダル獲得を目標にして…

ナンバーワンになって
世界選手権出場を決める!

ナンバーワンしかいらない。
刺激的なコピーの大会ポスターには、北口さんも大きく登場していた。5月に日本記録を更新し、世界選手権派遣記録も突破した北口さんにとっても、この日本選手権でナンバーワンになることが世界選手権出場を確定するために非常に重要だ。

博多の森競技場入り口のポスター。右端に北口さん登場

遅い梅雨入りした福岡、蒸し暑さ100%の競技場で女子やり投げ競技がスタート。エントリー32人が3投ずつ投げて、ベスト記録8位までの選手が決勝に残る。

順番になり1投目、北口さんが大きく身体をしならせて槍を空に向けて放った。それまでの選手の投てきより明らかに大きな弧を描くさまに、スタンドからどよめきが起こった。いきなり大会新記録となる62.68m。北口さん本人もその距離を見て飛び上がり、小躍りしながら戻ってくる。その様子があまりにハッピーで、観客も笑顔で拍手してしまう。2投目は失敗、3投目も記録は伸びなかったが他の選手を引き離して難なく決勝に進んだ。

1投目で62m超えの記録を出したことは、世界に通じる強さの証

決勝に入ってからの4投目、またもグンと伸びて再びの大会記録更新63.68mを成し遂げた。北口さんは今度は小さく控えめに拍手をして喜びを表現。自分の日本記録64.36mを超えたいんだろうな、ちょっと不満そう。その後の5投目と6投目でも記録更新とはならなかったが、北口さんは自身初の日本選手権ナンバーワンと世界選手権出場の内定を手にしたのだった。おめでとうございます!

まだ記録が伸びる手応えがある、と北口さん。9月ドーハの世界選手権に向けて再びチェコで単独合宿を行うのだそう。春先のチェコ合宿では「チェコ語全然分かんなかった」と笑顔。頼もしい。

<大会結果>

結果

第103回日本陸上競技選手権大会

日時:2019年06月28日 会場:博多の森 陸上競技場