ナンバーワンしかいらない。
刺激的なコピーの大会ポスターには、北口さんも大きく登場していた。5月に日本記録を更新し、世界選手権派遣記録も突破した北口さんにとっても、この日本選手権でナンバーワンになることが世界選手権出場を確定するために非常に重要だ。
遅い梅雨入りした福岡、蒸し暑さ100%の競技場で女子やり投げ競技がスタート。エントリー32人が3投ずつ投げて、ベスト記録8位までの選手が決勝に残る。
順番になり1投目、北口さんが大きく身体をしならせて槍を空に向けて放った。それまでの選手の投てきより明らかに大きな弧を描くさまに、スタンドからどよめきが起こった。いきなり大会新記録となる62.68m。北口さん本人もその距離を見て飛び上がり、小躍りしながら戻ってくる。その様子があまりにハッピーで、観客も笑顔で拍手してしまう。2投目は失敗、3投目も記録は伸びなかったが他の選手を引き離して難なく決勝に進んだ。
決勝に入ってからの4投目、またもグンと伸びて再びの大会記録更新63.68mを成し遂げた。北口さんは今度は小さく控えめに拍手をして喜びを表現。自分の日本記録64.36mを超えたいんだろうな、ちょっと不満そう。その後の5投目と6投目でも記録更新とはならなかったが、北口さんは自身初の日本選手権ナンバーワンと世界選手権出場の内定を手にしたのだった。おめでとうございます!
<大会結果>
第103回日本陸上競技選手権大会
日時:2019年06月28日 会場:博多の森 陸上競技場