アメリカ・インディアナ州のデポー大学で経済学とジャーナリズムを学んでいます。リベラルアーツカレッジや、専攻分野の学びについてお伝えしていきます。
デポー大学は、アメリカ中西部と呼ばれる大平原の中の、小さな田舎町に位置しています。2,000人ほどの生徒に対して200人強の教授陣が教える、少人数教育を軸としたリベラルアーツカレッジです。30以上の専攻を有する多様なカリキュラムのせいか、 初対面の生徒同士の会話では必ず “What’s your major?” という質問が交わされます。専攻・副専攻以外の科目についても、自然科学・人文科学など学術分野ごとに幅広く授業を取ることが義務付けられています 。
経験した中でも特にリベラルアーツらしい授業が、専攻と全く関係なく振り分けられる新入生のためのセミナーです。私は「西洋音楽におけるエキゾチシズム」という音楽学の授業に参加し、15人のクラスで鍛えられて最終論文で学年最優秀エッセイ賞を受賞しました。
専攻ではミクロ・マクロ経済理論、会計学など基礎的なものに限らず、計量経済学や経済学と倫理など分野横断的な授業も履修してきました。元々、将来ジャーナリストになるための専門分野としてしか考えていなかった経済学ですが、培ったそのリテラシーによって逆に、メディアの直面する経済的課題についてより深く理解できるようになりました。
副専攻のメディア学についても、メディアの理論と報道の実践の両方において授業を受けてきた他、課外活動としては州内最古の歴史を誇る大学新聞で記者・Webデザイナーを担当してきました。
また、課外にとどまらず、大学外でしか得られない学びも多くあります。オンラインニュースに関する国際会議や、中国・北京大学でのサマースクール、複数の報道機関でのインターンシップへの参加を通して、いわゆるフェイクニュース問題や構造変化によるジャーナリズムの衰退など世界的に共通の課題について知見を広げることができました。
実は3年目秋学期の現在も、単位を受けながら1学期間大学外で学ぶことのできるoff-campus study制度を利用して、マレーシアのメディアでのインターンシップに参加しています。日本でも、アメリカでもない新興の地域において、データジャーナリズムや報道機関のビジネスモデル変革など最先端のトピックに触れながら身につけているという躍動感を感じています。
今後も小規模なリベラルアーツカレッジでの深く解像度の高い学問と、グローバルな環境での広い視野を合わせて追求し、次世代のニュースメディアのあり方を模索していきます。