2018年9月よりハンガリーのリスト音楽院へと勉強の場所を移して、早くも2年目に突入しました。日本での演奏活動と並行しながらハンガリーで学ぶことが出来るのも、財団のご支援のお陰です。感謝の気持ちを忘れずに日々勉強に励んでいます。
昨年は日本とハンガリーを実に8回も往復して、日本での数多くの本番に臨みました。日本での演奏会は、ハンガリーでの学びを試すことのできるよい機会となりました。
ハンガリーではミクローシュ・ペレーニ先生の週2回のレッスンを受けています。レッスンでの情報量、求める技量のレベルが非常に高いので、ほとんど練習の時間で1日は終わってしまいます。うまく合間の時間を使い、学校で毎日のように開かれるコンサートに出かけたり、友人と積極的に室内楽の練習をしたりして、音楽において充実した生活を送っています。有名なチェリストはほとんどブダペストに演奏に来たのではないか?と思う程、豪華なコンサートを聴くことができて毎日刺激を受けています。
冬は日照時間が短く夕方4時過ぎには真っ暗になってしまうので、気分が上がらないことも多くあります。言葉の壁もまだまだ感じますし、難しいことは沢山あります。
自宅から学校までは徒歩10分、学校からしばらく行くと、ドナウの真珠と呼ばれる至極の景色を見ることができます。休日にはドナウ川に浮かぶ小さな島で、ランニングをしたり、近くの温泉(ハンガリーは温泉地としても有名)に行ったりと、東京では考えられないような穏やかで有意義な時間を過ごしています。
そんなドナウ川の近くにあるVigadóという歴史的なコンサートホールで、4月にリサイタルを開催することとなりました。自分自身非常に気合が入っていて、今から待ち遠しいです。プログラム後半には本場ハンガリーの作曲家・コダーイの無伴奏ソナタを演奏します。
2020年はベートーヴェン生誕250周年のメモリアルイヤーでもあるので、チェリストにとって大事なレパートリーであるベートーヴェンの作品(ソナタ5曲、バリエーション3曲)を取り上げて勉強します。今年は沢山のリサイタルの機会があるのでレパートリーを更に増やし、曲の理解を深めて、1回1回の本番を大切に取り組んでいきたいと思います。