そんな進藤さんに、この日の演奏のこと、留学のこと、今後の夢などを語っていただきました。是非ご一読ください♬
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Q1. どういうきっかけでピアノを始められたのですか?そして今までピアノに打ち込んでこられたのはどういう理由だと思われますか?
3歳の後半頃、友人が始めた様子を見て、弾き始めました。ある程度の年齢になると練習量が必然的に増え、辛い期間もありました。ですが、お客様に聴いてもらうのが好きだったこと、そしてピアノ以外に何も出来なかったため、今まで続けてこれたと思います。あとは、師匠、家族をはじめ、支えてくださる方々のおかげです。
Q2. 読売日本交響楽団さんとこの日演奏したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、ロシアに留学していた進藤さんにとって特別な存在ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
モスクワに留学して1番初めに先生に教えて頂いた作品が、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番だったと記憶しています。特に第1楽章の、華麗なパッセージに彩られているテーマの純粋さを表現することに苦労しました。
Q3. 今回、読響さんとチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏することになり、何を大事にして、何をめざして演奏しようと思われましたか。
チャイコフスキーの協奏曲は、ラフマニノフと違い、ピアノもオーケストラの楽器の一部というような感覚があります(チャイコフスキーはオーケストラの楽曲を作りたく、そこでピアノの音色も借りている、というのでしょうか…)。そのため、常にアンサンブルでいられるよう、コミュニケーションに気を配りました。あの有名なピアノの冒頭部分も、あくまでも伴奏であるため、オーケストラに合わせるなど意識しました。
Q4. 今はドイツのハノーファー音楽演劇メディア大学に留学されていますね。とても充実した留学生活を送っていらっしゃるようですが、入学されてから2年以上経った今、留学生活を振り返ってどんな成果があったと思いますか?
以前にくらべ、作品を通して表現したいことを自分で考えられるようになったと思います。それは師匠から学んだ音楽的アプローチを通してだけでなく、自分の興味の幅が広がった上にあるものと捉えています。
Q5. 将来、どんなピアニストになっていたいですか?それを実現するために、今何をしたいと思っていますか?
ヨーロッパを拠点に活躍できるピアニストになりたいです。おそらく理由は、街・人・文化が好きだからです。
そのために、沢山の曲を弾き、技術を磨き、音楽以外の教養も身につけ、言語を習得し、沢山の人と音楽的・社会的に交流し、意欲的に生活したいと思っています。
Q6. ピアニストとして、一番好きな作曲家は誰ですか?その理由は何でしょうか。
「ピアニストとして」という回答は難しそうなので、ただ私が好きな作曲家ということでしたら、現時点ではショパンとベートーヴェンです。ショパンは唯美的、ベートーヴェンは博愛的な魅力があると思います。
Q7. SNSによると、歌舞伎を見て楽しかったそうですが、歌舞伎からどんなインスピレーションを受けましたか?
義太夫節がときに感情的に太い声で演奏され、役者のかわりに心情を吐露する様子が印象的でした。歌舞伎に影響を与えた能にも大変興味があります。まだ実際に見たことがありませんが、お能は(常に静寂の中で演じられるという点において)クラシックの世界にも似ていると感じます。
Q8. 今、ピアノ以外ではまっていることはありますか?
まだまだ初心者ですが、やはり歌舞伎・能の世界を知ることです。先日歌舞伎座で拝見した、坂東玉三郎さん(演目 妹背山婦女庭訓)が出演された映画「書かれた顔(1995年 監督ダニエル・シュミット)」がとても印象に残っています。
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中学卒業と同時に日本を後にし、ロシア、ヨーロッパで勉強を続けている進藤さんが、今興味があるのが歌舞伎や能とのこと。進藤さんの様々な経験や視野の広さが進藤さんの音楽を作り、聴衆を惹きつけているのかなと感じます。演奏を聴いていると強い意志を感じる進藤さんは、どんな困難にぶつかっても前に進み続けることでしょう。そんな進藤さんを応援し続けたいと思ったコンサートでした♬
読響 三大協奏曲
日時:2024年08月21日
18:00
会場:東京芸術劇場コンサートホール
進藤 実優:ピアノ
中野 りな:ヴァイオリン
佐藤 桂菜:チェロ
◆プログラム
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番