――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?
私の将来の夢は、スケーターにとって憧れの存在になることです。その具体的な目標として、スケートボードの世界で最も名誉ある称号の一つである「Skater of the Year(SOTY)」を受賞することを掲げています。そのための第一歩として、自身のシグネチャーモデルをデッキブランド「REAL Skateboards」からリリースし、プロスケーターになることを目指しています。
プロになるには、競技で世界一になるだけでなく、ストリートで撮影した「パート」と呼ばれる映像作品をリリースし、その内容が世界中から認められる必要があります。このような活動は一人で成し遂げることはできず、撮影を担当するフィルマーや写真を撮るフォトグラファー、全体をコーディネートするスタッフとチームで作り上げるものです。このプロセスを通じて、競技の場とは異なる「チームで一つの作品を完成させること」の難しさや大切さ、そして一人では成し得ないという学びを得ることができました。
競技としては東京オリンピックで金メダルを獲得してから、各世界大会でも優勝することができ、パリオリンピック予選でも出場枠上位につけていました。ただ、最後の予選2戦では今まで感じたことのないプレッシャーの中で思うような結果を残せずに出場を逃しましたが、それでもその後のローマで行われた2024年世界選手権では準優勝することができ、今はしっかりと次のロサンゼルス五輪に向けても良いスタートを切れていることを実感しています。
また、2024年11月には「adidas skateboarding」と3年をかけて制作した初のパートをリリースしました。この作品で今年度における唯一の日本人スケーターとして「SOTY」候補者にノミネートされましたが、ファイナリストには残れませんでした。それでも、「日本人唯一」や「女性初」といった枠にとらわれず、自分らしさを表現し続けることに価値があると信じています。これからもスケートボードを心から楽しみながら、自分にしかできないことを追求していきたいと思います。
――日常生活、生活環境について
私の生活はスケートボードが中心ですが、学校や家族との時間もとても大切にしています。平日は学校に通い、放課後に3~4時間の練習を行っています。練習時間が限られていることを言い訳にせず、その時間を最大限に活用することを心がけています。
大会や撮影のために海外に滞在することも多いですが、学校でしか会えない友達と過ごす時間がリフレッシュになっています。また、特に英語の勉強は、海外遠征でも役立つため意識的に取り組んでいます。家族は常に応援してくれており、忙しい日々の中でも家族や友人との時間を大切にすることで、自分らしさを見失わないようにしています。
――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること
夢を実現するために、日々の練習と体調管理を徹底しています。練習では、ただトリックを成功させるだけでなく、どうすればより効果的でかっこよく見える技(トリック)になるかを追求しています。私は競技者であるだけでなくストリートスケーターとしてもトップになりたい、そしてあり続けたいと考えているため、コンテストでもパート撮影でも両方でベストを尽くすことを大切にしています。「スケボーが楽しい、もっと上手くなりたい。」という感情が自分のモチベーションの全てだと思っています。
ただ、スケートボードは体への負担が大きいスポーツです。そのため、母親のサポートを受けながら、栄養バランスの良い食事やストレッチ等のコンディショニングのためのケア、適切な休息を日々のルーティンに組み込んでいます。また、メンタル面でも、失敗を恐れず新しい挑戦を続けることを意識しています。
――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負
これからもスケートボードを通じて新しい挑戦を続け、多くの素晴らしい人たちと繋がりたいと思っています。今年は特に、自分のスキルを磨きながら、よりクリエイティブでユニークなパートを制作することに力を入れたいです。また、大会で結果を残すだけでなく、スケートボードの自由さや楽しさを広める活動にも取り組んでいきたいです。
2024年は、挑戦を恐れず、失敗から学び、成長を続ける1年にしたいと思っています。私の活動を通じて、スケートボードを始めたいと思う人が増えれば嬉しいです。この1年を新しい可能性を見つける冒険にし、自分らしさをさらに発揮していきます。