峰岸 真澄
理事長
皆さん、こんにちは、こんばんは、おはようございます。理事長の峰岸です。
今年新たに20名の奨学生をお迎えしています。来年で50周年を迎えます。累計で703名の、ずば抜けて優秀な学生のみなさんを応援してきました。これから同じ分野、分野を超えた皆さんで切磋琢磨していってください。
今回、初めてオンラインにて開催しましたが、奨学生の皆さんが主体となって、当事者となって、『今』をシェアしていただいて、素晴らしい内容となりました。成果発表会やアート作品の発表は、とても刺激的でしたし、質疑が活発で、本当にやってよかったなと思っています。
今まではリアルに集まって開催していましたが、オンラインの方が、内容が充実していましたね。オープニングセッションのテーマは大変深いテーマで、でも本質的な問題で、まさに『今』を考えさせられましたし、コンサートは、自粛期間中にたくさんオンラインで観ましたが、今日のコンサートでは優雅さと若さを感じさせていただきました。感動いたしました。MVPのお二人も大変優秀な成績を収められて、おめでとうございました。
世界は今、COVID-19によって甚大な被害を被っています。授業はオンラインで再開されてきたようですが、研究は中止されたり、芸術の作品を発表する場は減少し、オリンピックも開催延期が決定され、器楽においても大きなコンクールの延期が発表されています。経済界もロックダウンによって消費が停滞し、倒産・休業が相次ぎ、経費を削減して雇用を守らなければならない状態で、企業の役割は何なのか、企業として何ができるのか、を毎日考えているような状況です。
一方で、クライシスこそ本当に必要な技術やサービスを炙り出す、ということがあります。これから未来を支えていく技術やサービスを、こういう状況だから投資を抑制していくというのではなく、寧ろこういう時だからこそ投資をしていき、アフターコロナに向けて行動していきたいと思っています。そうしてブラッシュアップされた技術やサービスは、今困っている人たちや企業を助けていくことに繋がると思いますので、私自身も経済界でチャレンジしています。
財団の支援している学術、アート、器楽、スポーツの分野は、まさにコロナをきっかけに改めてその必要性が再認識された分野だと思っています。最近未知の分野からリスクが露呈されていますが、学術の基礎研究の重要性が改めて認識されていると思っています。アートや器楽はステイホームによって人類のクオリティオブライフの観点で必須だということが、人間そのものの欲求から炙り出されたのではないかと思っています。オリンピックが延期されたことによる失望感は、アスリートが生み出す人類の可能性を示すというスポーツの価値を、その失望感が教えてくれたのではないかと思っています。
改めて財団としては、未来にとって必要不可欠な分野にとって、その中でもずば抜けて活躍しようとしている皆さんの貴重な活動を、皆さん一人ひとりの心にしたがってサポートしていきたいな、と思っています。強く思っています。しばらくウィズコロナの期間は続くと思います。孤独に苛まれることもあるかと思います。是非、いまできること、いますべきことに集中していただいて、もし何か困ったことがあれば財団のスタッフに相談していただきたいなと思っています。そして時折財団のメンバー間で、分野を超えてオンラインなどの交流で心の保養もしていただいて、ウィズコロナの期間を乗り切っていただきたいなと思っています。これからのご活躍をずっと祈念しております。今日は本当にありがとうございました。
2020年7月5日
公益財団法人江副記念リクルート財団
理事長 峰岸 真澄