2018年12月15日(土)13:00開演・紀尾井ホール
器楽部門現役奨学生が一堂に会し、この1年間の成果を披露するコンサートが開催されました。
今年度は現役奨学生13名と、特別出演者としてヴィオラ奏者の鈴木慧悟さんをお迎えし、総勢14名の熱のこもった演奏が披露されました。奨学生達は、今年一年日々研鑽を積み、演奏会、コンクール、留学等、それぞれが貴重な経験を積み、大きく成長した姿を披露すべく、何度も集まりリハーサルを重ねて本番に臨みました。
◆プログラム
I.ブラームス: ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調作品120-2
Vla. 田原綾子 / Pf. 桑原志織
II.ショスタコーヴィチ: ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67
Vn. 辻彩奈 / Vc. 岡本侑也 / Pf. 反田恭平
<休憩>
III.フランク: ピアノ五重奏曲ヘ短調
1st Vn.外村理紗 / 2nd Vn. 森山まひる / Vla. 鈴木慧悟
Vc. 上野通明 / Pf. 阪田知樹
<休憩>
IV.メンデルスゾーン: 弦楽八重奏曲変ホ長調作品20
Quartet 1: 1st Vn. 毛利文香 / 2nd Vn. 周防亮介 / Vla. 鈴木慧悟 / Vc. 岡本侑也
Quartet 2: 1st Vn. 吉田南 / 2nd Vn. 北川千紗 / Vla. 田原綾子 / Vc. 上野通明(企画・プロデュース:伊藤 恵)
I. ブラームス: ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調作品120-2
Vla. 田原綾子 / Pf. 桑原志織
日常から非日常の世界へ誘うかのように、最初のプログラムが美しい旋律で始った。ヴィオラの温かみ、深みのある音色と、宝石をちりばめたような透き通ったピアノの音色が織りなす優しく美しい旋律が心に染み入る。
Ⅱ.ショスタコーヴィチ: ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67
Vn. 辻彩奈 / Vc. 岡本侑也 / Pf. 反田恭平
予想のできない音のつながりが続き、次にどんな音が来るのか、ピアノ、ヴァイオリン、チェロがどういう対話をするのか最後まで息がつけない。3つの楽器それぞれ、こんな弾き方があり、こんな音がでるんだ。そんな音を重ねるとこんな表現ができるんだ、と驚かされた。聞き終えた後も主題の繰り返しが頭から離れない。
III. フランク: ピアノ五重奏曲ヘ短調
1st Vn.外村理紗 / 2nd Vn. 森山まひる / Vla. 鈴木慧悟 / Vc. 上野通明 / Pf. 阪田知樹
力強い旋律と情感あふれる旋律が次々と現れ、それぞれの楽器との対話が楽しい。重厚で厚みのある旋律が聴き手に力を与えてくれるよう。終わりに近づくにつれ、ピアノとカルテットが徐々に熱く、力強さを増し、聴き手もその世界に引き込まれていく。演奏終了後も、聴き手の心がなかなか鎮まらない演奏だった。
IV. メンデルスゾーン: 弦楽八重奏曲変ホ長調作品20
Quartet 1: 1st Vn. 毛利文香 / 2nd Vn. 周防亮介 / Vla. 鈴木慧悟 / Vc. 岡本侑也
Quartet 2: 1st Vn. 吉田南 / 2nd Vn. 北川千紗 / Vla. 田原綾子 / Vc. 上野通明
この日のコンサートはピアノとヴィオラのソナタで始まり、ピアノ三重奏、ピアノ五重奏と続き、最後は弦楽八重奏。聴き手を音楽の世界に引き込む絶妙なプログラミング。厚みがあり、奏者が目まぐるしく変わる。次はどの楽器が呼びかけ、答えるのか。この旋律はどの楽器が奏でているのか、この温かい音色はどの楽器から生まれているのか。耳を澄ませるのが楽しい。
♪1年の成果、成長した姿を存分に披露し終演♪
演奏終了後は、全員が舞台に登場しカーテンコール。
お客様は皆、若い奨学生達の演奏の素晴らしさに感嘆し、一人ひとりの1年の活躍と成果、それを支える努力と研鑽に思いを馳せ、惜しみない拍手を送っていました。
奨学生たちも安堵の表情を浮かべ、鳴り止まない拍手に応えていました。
終演後は全員がホワイエに揃いご来場くださったお客様にご挨拶。直接温かい励ましの言葉をいただき、次に向けて気持ちを新たにしていました。
♪TV放送のお知らせ♪
2018年12月15日に紀尾井ホールで行われた「第24回江副記念財団リクルートスカラシップコンサート」の模様が、2回に分けて以下の日程で放送されます。是非ご覧ください♫
「若き音楽家たちのクラシック 第24回江副記念財団リクルートスカラシップコンサート」
【放送日】
前編 2019年1月14日(月曜・祝)朝8時53分
後編 2019年2月11日(月曜・祝)朝8時53分
【放送局】
BSテレ東(BS7ch)